昔ハナエモリビルでお店を営業しておりました時に大変に尊敬している先輩ディーラーにアンテイーク洋の桂洋太郎氏がおられました。
だいぶん前にお店を閉められましたが、お元気でいられるかいつも気に掛かっていました。
偶然銀座のエタラージュに入っていらっしゃったお客様がお店を手伝われていた洋太郎氏の叔母さまと大変親しくされているという方で今回お元気でお暮らしされていることを聞きまして大変に喜ばしく思っています。
このリングは30年近く前に洋太郎氏から御預かりしたものとオーナー様がおっしゃっておられます。
ヴィクトリア女王がご成婚の時に作られたものと思われます。
ただしシャンクは後から作られたもので元々はブローチとして製作されたものです。
ヴィクトリア女王のご成婚時の多幸感あふれる大変に美しい肖像画です。
最初上目遣いの目線が不思議に思いましたが、たどり着いた絵の中に目線の先に愛するアルバート公が描かれていて納得です。
二度と出てこない逸品です。

今回この肖像画にたどり着くことが大変に難しく最初はご成婚の時では
なく少し後になってからの絵ではないかと思いました。
王冠の方は王室のティアラのうちでも最も有名な王冠で、マルタ十字の
左右にスコットランドの国花アザミとアイルランドのシロツメグサが
ダイヤモンドで形作られたものです。
リングでははっきりとネックレスは見えませんが、ゴージャスな大ぶりのダイヤのイヤリングが特徴的です。
手持ちのロイヤルジュエリーの本の中に女王が戴冠した折にトルコの王様から贈られたダイヤモンドでネックレスとイヤリングを作りそのセットをターキッシュダイヤモンドと名付けらたという記載を見つけました。
そしてターキッシュダイヤモンドから今回の肖像画にたどり着くことが
出来ました。

現在イヤリングはノルウェィの王室にあるようですが、ネックレスの方は1950年代にヴィクトリア女王から譲られた親族の手によってオークションにかけられて以降現在まで不明とのことです。
実際の結婚式にはティアラはせずにオレンジの花の花冠を頭にされたと
いうのは上の絵でも描かれています。
この王冠とターキッシュダイヤモンドで描かれた絵は下の絵以外目にしたことがありません。
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posted by エタラージュ at 00:00
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お預かり品
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